令和3年度 第1回定例会(研修会)
I. 概要
日時: 2021/07/08(木) 13:20~15:10
会場: オンライン (Zoom)
内容: コロナ禍の中の保育について
講師: 掛札 逸美先生 (保育の安全研究・教育センター)
出席者:
1. 保育園
フォーマザー保育園: 10名
フォーマザー保育園: 10名
フォーマザー第2分園: 5名
フォーマザー西立野保育園:
フォーマミー保育園: 4名
フォーマミー保育園: 6名
フォーマミー保育園: 6名
フォーマミー浦和美園保育園: 9名
川口くれよん保育園: 2名
東川口あら川保育園: 1名
ユアーズ・マミー保育室:
さくらそう保育園 元郷: 3名
さくらそう保育園 東領家: 5名
さくらそう保育園 朝日: 4名
2. その他
個人: 6名
II. 議事
提供された資料に基づいて、保育園で本当に必要となる感染対策について、具体的な例をあげながら説明していただいた。
その後、受講者からの質問に答えていただいた。
1. 講義
1-1. 掛札先生のWebサイト
『3000万語の格差』:掛札逸美
保育の安全研究・教育センター
1-2. 掛札先生のFacebookページ
1-3. 提供資料 (Webサイト「3000万語の格差」内)
(1) コロナ感染リスクを下げるには「保育園、こども園、幼稚園で新型コロナウイルス感染症のリスクを効果的に下げる」
基本となる資料で、こちらの内容をもとに講義が進められた。
(2) 研修会資料「保育・教育の価値とリスク、深刻事故予防、コミュニケーション」
リスク・マネジメントの観点から、判断基準となる価値とリスク、および安全・安心・責任の切り分け等について話された。
(3) コロナ対策の効果/害を考える表
それぞれの立場から、価値とリスクについて考えるための一覧表で、職員、保護者、自治体等の欄については、各園で書き込めるようになっている。
(4) その他 (掛札先生のWebサイトやFacebookページにあるもの)
* 常に更新されているため、リンク先にある最新のものを直接参照のこと。
2. 質疑応答
* 個々の内容は、記録者のメモに基づいたものであるため、より的確な内容については、前述のサイト等にある資料を参照のこと。
Q. 登降園の際、保護者を園内に入れてよいか?
A. 入れてもよい。入れることで、スタッフの負担が減り、保護者も満足する。逆に、入れないことで、暴動を起こされた園があった。ただし、換気はすること。
Q. 保護者からの過剰な要求(全員にマスクをさせろ等)に対しては、どのように対応すればよいか?
A. 毅然とした態度で、「あなたの意見を他の人に押し付けることはできない」と伝える。ただし、言ってきた保護者の子に対しては、その通り(マスクを付ける等)にさせる。これは、やらないとその子自身が親に怒られるためで、その子の心を守るために必要である。
Q. 虫よけのスプレー等は必要か?
A. 前提として、虫には刺されるものであるため、園ではやらず、希望する人は家で塗ってきてもらう。それよりも、刺された後の対応を考えるべき。通常は、流水で洗うのみでよい。腫れるようなら、その後、保冷剤等で冷やす。ずっとかゆい人、アナフィラキシー等、アレルギー症状のある人等については、レスタミンが有効となる。ひっかいてしまう子には、パッチを貼る方法もあるが、小さい子が誤飲してしまう可能性があるため、原則としてはNGとなる。どうしても貼る場合は、家で名前を書いてきてもらう。これは、園で貼る場合も同様である。
* 虫刺されについては、手紙等のひな形(下記リンク)を参照のこと。
保育の安全 > コミュニケーション > リスクを伝える、責任を手渡す > B-2. 手紙、掲示、その他のひな型
Q. アルコールによる消毒は必要か?
A. 基本的に、アルコールは有害(吸い込むと毒性がある等)である。また、消毒による効果は、乾いた手に20秒以上擦り込まないと発揮されないため、小さい子どもには無理がある。そのため、従来通り、流水と石けんでの手洗いを行う。石けんでの手洗いが困難な場合(屋外等)は、個人のタオルを水で濡らして拭くのがよい。
Q. 保育室内等の消毒や除菌は必要か?
A. 現実的な効果と、その結果もたらされるリスク(毒性等の危険性やそのための手間等)について正しく理解し、適切に対応する必要がある。なお、きれにし過ぎると、人間が弱くなってしまう。寄生虫等が少なくなり過ぎたことで、食物アレルギーや花粉症等が増えている。また、コロナウイルスは飛沫・空気感染のため、消毒よりも換気がより重要となる。その際、シートや間仕切り等で室内を区切っても、直接の飛沫しか防ぐことができず、充満するエアロゾルに対しては意味がない。むしろ、配置やサイズ、換気の方法等によっては、換気の効率を下げてしまう。
* 詳細については、提供資料の(1)および(3)を参照のこと。
Q. 食事における対応(同じ方向を向く、黙って食べる、席を離す等)の要否は?
A. 園での生活そのものが濃厚接触となることから、食事や睡眠等の時にのみ、これらの対応を行ったとしても、意味がないことになる。前述の「保育における価値」という観点や、「子どもは、ほとんど重症化しない」という現状を考え合わせても、食事の時のみ特定の対応を行うという方法は、妥当であるとは言えない。
Q. おもちゃ等の消毒は?
A. 通常は、1日に1回の水拭きのみでよい。ただし、下痢や嘔吐等があった場合は、次亜塩素酸ナトリウムの薄め液を利用する。ちなみに、ノロ等のウイルスは、コロナよりもはるかに感染力が強い。なお、絵本については、ブッカーをかけることで、同様に拭けるようになる。また、粘土のようなものは、放置することでウイルス等が死滅することから、使う頻度を1週間に1回程度とする。
Q. プールを行う際の留意点は?
A. 密集したとしても、それは保育室での遊びと同様であることと、コロナは飛沫・空気感染で、水からはうつらないことから、特に従来と変更することはない。ただし、学校の更衣室等、窓がないところでは注意が必要となる。また、コロナとは別に、水の事故には注意する必要があるため、水死予防の観点から、人数を減らすことには効果がある。
0 件のコメント:
コメントを投稿